グッドマン3作目だが、タイトルにある「戦略」には、カスタマーサービスを一部門の仕事から企業全体における活動へとレベルアップさせる狙いが込められている。
カスタマーサービスの仕事は、顧客の苦情や疑問に対応するだけでなく、そこで得たVOC(顧客の声)を組織全体にフィードバックし、継続的改善に役立てることも重要だとグッドマンは説いている。その具体的な方法論と成果を数多くの実践事例から明らかにしている。
企業のデジタル化が加速し、顧客とのタッチポイントが複雑化する中で、サービスの再設計を考える上で役立つ内容となっている。また、戦略的なサービスにするための部門連携やアウトソーサーなどビジネスパートナーとの協業のあるべき姿を探る。
畑中からのコメント
400ページ近い翻訳作業はなかなかにしんどい作業ですが、チームの仕事でこんなに楽しんだことはありませんでした。個人的にはグッドマンという稀有のコンサルタント・研究者の業績を紹介できる機会を得たことに深く感謝しています。
カスタマーサービスとは、企業と顧客、さらにそこに従事する人々を結びつける。そこに意義を見出す大切な仕事であると思います。コロナパンデミックで難しい時期に本書を上梓できたことが何よりもありがたい出来事でした。
本書を「読む」ことから「実践」、さらに「挑戦」へとつながるきっかけになることを切に願っています。